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5→9 第9話レビュー 

「5→9 ~私に恋したお坊さん~」 第9話

切ない切ない9話でした。
潤子が仕事を辞めて寺の嫁になるというのを、複雑な気持ちで見つめる高嶺。
潤子の夢を諦めさていいのかという葛藤を彼女の決意が打ち消す。

ひばりに二人のことを認めてほしいと願うも、あえなく玉砕。
どんなに努力をしても絶対に認めないというひばりの頑なな心を融かすことができるのか。

潤子と寺へ出向けば塩を捲かれ、会合先に会いに行けば「使い古した手を」と一蹴され・・
聞く耳などないよう。
それでも簡単には引き下がれない。
あと2日ある会合で待ち伏せ作戦。
高嶺の袂から次々に出てくる張り込みグッズ・・・やっぱり高嶺だわ(笑)
「その袖四次元ポケット?」
張りつめた中で二人のやり取りにホッと和みます。
3日間の二人のストールも素敵でした。

3日目でようやく不吉な笑顔と共に、寺での修行を許されるが、それにしてもね・・ひばりさん、何故そこまで頑ななんでしょう。
何かワケでもありそうな素振りも気になります。

朝から晩まで仕事を言いつけられ疲れた潤子を見て
「ここにいたらあなたの笑顔がなくなってしまいます。私はあなたを幸せにしたくて結婚するんです。」
潤子を想い愁う高嶺の哀しみを湛えた瞳が息を飲むくらい美しい。

ELAに顔を出した潤子に清宮氏がNYへ行くと・・
そしてアーサー先生に清宮氏の奥さんがすでに亡くなっていることを聞かされる。
ELAで潤子が見せた表情から、仕事への未練が垣間見えます。
夢を追って仕事してきた日々を捨ててしまうなんてやはり簡単なことではないのです。

潤子が寺へ戻ると檀家回りから先に帰っていたひばりに叱責される。
「急に時間を早められたのはおばあさまでしょう」
庇う高嶺を制する潤子がだんだん追い詰められていく
そしてそんな潤子を見ている高嶺もまた辛そうで、やるせない。

「どれだけ努力してもどうしようもないことが世の中にはあるのよ」
「潤子さんにいったい何の恨みが」
「恨みなんかありませんよ。私はただ潤子さんが嫌いなだけです。」
やはりひばりには何かワケあると思わせる台詞ですが、面と向かって嫌いと言われ傷付いた潤子は心も体も芯から疲れきっているよう。
彼女を寝かせ、切ない想いの中で添い寝しした高嶺もまた苦しそうで切ない。

檀家を招いての会合で高嶺が読経をすると知り、潤子だ手伝いを申し出る。
意外にもあっさりとゆるしたひばりに、高嶺はひばりには企みがあるのだと不安がる。
祖母の着物を着て、手伝いをするも、慣れない席で粗相を・・

部屋で泣いている潤子に「大切な読経があるでしょう」と言われ
「あなた以上に大切なものなどこの世にありません」と。
高嶺の嘘偽りのない気持ち。

「私、あなたの足手まといになりたくない」
「足手まといなものですか。あなたが教えてくれたんですよ。人を愛するとどのような心地になるのか・・・」
高嶺の潤子への愛情の深さが伝わってくるシーンでした。
そして胸の奥がギュッと締め付けられるようなシーンでした。

潤子のELAの送別会で読むスピーチを聞いしまった高嶺。
夢と決別し、「幸せです」と泣きながらスピーチを読む潤子を苦しい想いで見つめながら。

「潤子さんが兄さんのせいで自分の夢を諦めたことをなかったことにしてさ」
天音・・それは違います。
高嶺は潤子に夢を捨ててほしくなかった。そしてそのことで苦しんでいるのですよ。

「そこのばばあが兄さんばかり可愛がって、俺のことは京都の寺に捨てやがって」
「おばあさまはおまえのことを捨ててなどいない」
「じゃあ誰か1回でも俺に会いにきたのかよ」
天音もまた寂しさを抱えて生きてきたのでしょう。それはそれで切ない。
この伏線も最終回で回収されるでしょうか。

騒動のあと、暗くなるまで一人で本堂の前に佇み、想いを巡らせ、そして何かを心に決めて翻る高嶺の横顔が悲しかった。

潤子と待ち合わせの公園
デートみたいだとはしゃぐ潤子のカラ元気で、高嶺がプレゼントした靴を見せる。
「潤子さん、私は心からあなたに失望しました。あなたは寺の嫁に相応しくありません。」
高嶺の表情はどこか虚ろでまるで生気がない。

「私はあなたのことが嫌いになりました」
「嘘ですよね」
「嘘は嫌いです・・・もう二度と会うこともないでしょう。私は潤子さんが嫌いです。」

嘘が嫌いな筈の高嶺が初めて嘘をつく。
悲しく切ない嘘を。
潤子以上に大切なものなどこの世にない高嶺がその愛する人のために。

高嶺は一人堪えて寺へ帰り、潤子は失意の中で清宮氏の腕の中へ・・・

辛い辛い9話でした。
ひたむきに頑張る潤子と、それを見守る高嶺の苦しさが痛いほど伝わってくる切ない9話でした。

次はいよいよ最終回。
幸せな結末を迎えられるのか・・・ドキドキです。

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