アルジャーノンに花束を 第8話レビュー 

時間は残酷だ。
時に私たちを呑みこみ身動きもさせない。
それでも時間は愛おしい。
今の1秒、未来の世界を大切なあなたと同じ時を刻むものがあるのなら・・

「アルジャーノンに花束を」 第8話

キーワードは「時間」
遥香の部屋で一緒に暮らし始めた二人の穏やかで幸せな時間。
二人の時を刻む時計を互いに贈り合い、その幸福な時間は永遠に続くのだと。
けれども残酷な時は忍び足で二人に近づいてきていました。

遥香といるときの柔らかい表情の咲人が幸せそうであればあるほど、これから待受けていることを思うと切なくなります。

遥香と訪れた母の家で三度対面するも、母の仕打ちに「もういい」と出ていく咲人。
二度も母親に捨てられたのです。
一度目は傷害がある咲人を受け入れられない母親に、二度目は咲人を捨てた自分を許せない母親に。
最初に咲人を捨てた時からこの母の時間は止まったままなのでしょう。
しかし、どんな理由であっても、捨てられた側にとっては同じこと。
咲人が覚醒した分、その傷が深くなっただけでした。

「僕には家族がいない」
「家族ならここにいる」
その傷を癒す者こそ家族なのかもしれない。
遥香を抱きしめ「君さえいれば他に何も要らない」と涙を流す咲人はこの上なく美しい。

アルジャーノンの異変
蜂須賀に呼ばれて研究センターへ戻った咲人に突きつけられたあまにりに残酷な事実。
「見えるんです。幻覚が僕にも」
皮肉なことにアルジャーノンと咲人を救うために、再び蜂須賀とタッグを組むことに・・・
自分の研究に禍根を残したくないためか、それとも本当に咲人に息子のような想いを抱いていたからか。

「親友じゃん、対等の」
柳川の言葉に咲人の目が潤む。
戻せない時間への郷愁と、これから待ちうけているものへと覚悟と・・
始まる時間との闘いの前に、この柳川の言葉は咲人に勇気をくれたに違いありません。

一方梨央の病気のことを口に出せず、遠くなる咲人を見送る柳川
病室で眠る梨央を悲痛な想いで見つめる檜山
三人の時間はもう交わることがないのでしょうか。

「謝らないでください。私に素敵な夢を見させてくれた。愛する人もできた。愛されることも・・・
できれば冷めたくない、永遠に観続けていたいこの上もなく素敵な夢です。」

愛し愛されるかえがえのない時間さえ1秒ごとに過去になる。
だからこそ永遠の一瞬、この刹那が終らせたくない素敵な夢なのかもしれない。
咲人の、二人の時間は永遠に刻み続けることができるのか。

咲人の言葉で科学者として、あるいは息子を失ったひとりの人間としての良心が蜂須賀を変えてゆく。
彼自身も、科学という未知の世界に洗脳されていたのかも・・

「僕はこのままここで目を閉じるよ。アルジャーノンの傍を離れたくないんだ」
疲れているようにも見える咲人・・・自分を襲ってくるであろう「退行」という恐怖とひとりで闘っているのだ。
恋人は傍で癒してくれる。それでもこの恐怖からは逃れられない・・
「メイクをして?」軽いジョークで恋人の不安を取り除こうとする咲人と、その気持ちを痛いほど感じて、ひとり泣く遥香。
どうか時間を止めて・・・

研究センターの入り口には咲人の友人たちが・・・
梨央の治療法を咲人に見つけてほしい友人たちと、恋人を救いたい遥香の攻防。
どちらにも時間がないのだ。そして咲人は、その頭脳は一つしかない。
咲人の選択は・・・

「傍らに愛する人がいるのだから、残酷な時の流れを止めてみせよう・・アルジャーノン」
この残酷な時の流れを止めて、愛する人と共に過ごす未来へと繋がる幸せな時間を取り戻せるのでしょうか。

冒頭の恋人たちが幸せであるほど、哀しい辛い回でした。
美しいから胸を打つのか、胸打たれるから美しさが際立つのか。
残酷な時の流れと共に咲人の美しさは研ぎ澄まされていくようでした。

空の鞄を持って出かけた心の旅から、咲人が教えてくれたかけがえのない大切なものをたくさん詰めて帰ってきました。
その鞄の重さで一歩も動けない・・・そんな第8話でした。

咲人の選択がまた苦しくなりそうな9話の予感。
野島さんはこの物語をどんな風に着地させるのか、原作との折り合いをどう付けるのか・・
静かに見守りたいと思います。

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智クン♡ソロデビュー10周年 おめでとう!
音楽的には誰も進まなかった独自の道をゆき、山下智久スタイルを築いてきました。
10th AnniversaryをあなたとSweetiesでお祝いできたらいいな♡
懐かしくなって久しぶりに読みました。「抱いてセニョリータ」PV監督のブログ
sharks 久保のひとりごと...。

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